日本人はカモで、フランス人はハト。

日本人はカモで、フランス人はハト。

外国語でも日本語のような表現があって、どんなに文化や習慣が違っても根本的な部分が同じで考えることが同じなんだなと思わせられる。

偶然かもしれないが面白いと思った表現があったのでちょっと紹介しておこうと思います。

よく騙されやすい人のことを『カモ』と言いますがフランス語にも似たような表現があり、『ハト pigeon』と言います。

『カモ』の由来

ではそもそも騙されやすい人を『カモ』というようになったのでしょうか?

どうやらカモは非常に騙されやすい動物で、デコイ猟という鳥の模型(デコイ)を囮に使って、鴨の鳴き声に似せた笛の音でおびき寄せるという方法で比較的簡単に獲れたようです。

そこから騙されやすい人は『カモ』比喩されるようになったんですね。

フランス語『ハト』の由来

それではフランス語の『ハト』にはどのような由来があるのか調べてみました。

こちらの表現は『ハト』に至るまで少し長いお話があります。

13世紀ごろには『(鳥の)羽根をむしり取られる: se faire plumer』という表現があり、つまりは身ぐるみを剥がされるという意味がありました。そこから待つ事3世紀、そこから派生した『 se faire duper』という表現が現れます。

フランス語には騙されやすい人の事を『ハト pigeon』以外にも『dupe』と言われます。

この『dupe』は『ヤツガシラ huppe』から派生した言葉です。ヤツガシラは検索してもらえればどんな鳥か分かっていただけると思うのですが、トサカが特徴的なとても優雅な鳥です。

huppe

上流階級でもその優雅さからとてもよく知られた鳥だったようです。

そこから『dé-huppé』という言葉が生まれます。『』は接頭語で否定や分離、除去を表すものです。つまりは羽根をむしりとられたという意味で、全てを失った、何も持っていないという意味で比喩されていたそうです。『dé-huppé』->『duper : 騙す  se faire duper : 騙される』と派生していくわけです。

羽根をむしりとられた(騙せれ、身ぐるみをはがされた)様子は優雅ではない、滑稽という意味でヤツガシラよりも大衆になじみのある鳩にも同様に使われるようになります。鳩からすればとんだトバッチリですね。

そういった経緯で身ぐるみをはがされる、間抜け、騙されやすい人を『ハト』と比喩されるようになりました。

まとめ

身近な言葉には案外いろいろな歴史があって面白いですね。最近はふと疑問に思った言葉をなるべく調べるようにしています。

とにかく、皆さんは『カモ』にも『ハト』にもならないよう気を付けましょう。

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