実はすごい、日本語能力検定N5(5級)のレベル

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日本語の先生、日本語を教えたことのある人、かつ英語以外の外国語を勉強したことのある人はこの日本語能力検定5級のレベルがいかにすごいかよくわかると思う。

日本語能力試験、通称JLPT。レベルが1から5まである中でN5は一番低いレベルだ。なので大したことのないというイメージを受けると思う。

僕自身も大して日本語能力試験について詳しく知らない時は英検5級ぐらいのレベルでしょ?ぐらいに思っていた。

日本語検定N5ってどんなレベル?

実際このレベルにいる外国人の日本語のレベルはお世辞にも流暢とは言えない。当たり前だ。その上には4から1までのレベルがあるのだからまだまだ初級のレベルだ。

語彙力もきっちり学習したとしても700語レベル。会話をするには全然足りないと言える。

これらのいろいろな要素があって5級は大したことないという印象を受けるのだと思う。

だけどこの5級には80近くになる文法項目を学習しなくてはいけない。

それにこの80項目は日本語の基礎となる重要なものが多くこれをマスターすれば日本語をほぼマスターしたと言っても過言ではないと思う。

 

もちろん細かい言い回しもできないし、使える文法が限られていて表現力が乏しくなる上、単語が全然足りない。最低でも3000語は欲しいところだ。

 

では実際この5級のレベルはどんなレベルなのだろうか?この文法をしっかり理解して使いこなせるレベルはどんなものか例文で見てみようと思う。

 

みなさん、こんにちは。私の名前はトムです。

アメリカから来ました。今、日本で日本語を勉強してます。朝、日本語の学校に行って、午後からバイトに行っています。バイトの後、日本人の友達とお酒を飲みに行きます。友達はおもしろくて、とても親切です。『週末、海に行きましょう』と言っていたので、先週末、友達と車で海まで行きました。日本の海には行ったことがありませんでしたから、とても嬉しかったです。

天気が良かったですが、少し寒かったです。泳いだり、ビーチで本を読んだりしました。たくさん遊んだから、とても疲れました。家に帰った時、日本語の宿題をしたくありませんでした。でも先生は厳しいから、しなくてはいけませんでした。寝る前に少し漢字を勉強して、11時に寝ました。来年アメリカに帰らなければいけませんから、その時まで日本語をたくさん勉強するつもりです。

 

どうですか?文章は少し硬いですが、5級の文法でもかなりのことが言えるようになります。4級だともっと日本人の使う日本語に近くなります。

日本語検定N5は他の検定で言うとどのレベル?

文法レベルだけでいうなら日本語の5級は英検の2級ぐらい、もしくはちょっと下ぐらいな気がします。検定同士のレベルを比べるのナンセンスな気もしますが、5級時点でかなりの文法を外国人は習っていることになります。

 

他の外国語試験の一番下のレベルはもっとハードルが低いような気がしますがどうでしょう?

 

学習している外国人も初級でこんなレベルなら4級、3級もしくは1級まで果てしないと途方にくれる人もいるんじゃないでしょうか?実際5級レベルでつまずいて、落ち込んで学習を止めちゃう人もいます。

 

初級のレベル設定が結構高いのも原因の一つでしょう。日本に留学に来た人ならさほど難しいレベルではないでしょうが、マークシートで筆記がなく半分とれば受かるテストで総受験者の50%しか受かっていないのを見ると異常なレベルです。

 

実際、英検、仏検5級の合格者数は80%を超えています。2015年度秋の仏検5級合格者に至っては88%です。

まとめ

どの言語でもやはり基礎をしっかり理解することは大切ですし、基礎をしっかりすれば小難しいことが言えなくても流暢に会話することが可能ということが日本語の例を見てもわかると思います。

 

このレベルのことが今あなたが学習している言語もしくは学習したいと思っている言語、例えばフランス語、ドイツ語、ロシア語で言えたとしたら相当のレベルだと思いませんか?

 

第二外国語を勉強したことがある人たちには、英語以外の別言語を勉強する大変さが分かると思います。

 

日本語は特別難しい言語だと思いませんが、導入時点で覚えることが他の言語よりたくさんあるのは事実で、多くの学習者は苦労しているということです。

 

もし日本語を学習し始めている友達がいれば、5級は結構すごいレベルだということを教えてあげてください。

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